まだまだ改善の余地ありスポーツファーマシストのオリンピック募集要項

オリンピックのスポーツファーマシストの募集要項がひどすぎるという話は去年の9月に当ブログで紹介しましたが、再び東京薬剤師会からの通達内容をツイッターにアップされていた方がいらっしゃいました。

 

オリンピックのスポーツファーマシストの募集要項がひどすぎるという話は去年の9月に当ブログで紹介しました。

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東京オリンピック・パラリンピック競技大会での選手村総合診療所における
薬剤業務への協力に関するボランティア薬剤師の調査について(依頼)
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【選手村総合診療所の概要】
開設場所:東京都中央区晴海(予定)
開設期間:2020 年7月8日(水)~9月9日(水)
診療時間:16 時間(7:00~23:00) ※救急サービスは 24 時間
対象:選手村内に居住する選手、役員等

【薬剤師の担当業務等】
〇 診療所内で発生する処方箋に基づく調剤
〇 診療所等で使用する医薬品の管理

【勤務体制】
24 時間3交代勤務を想定。

【必要となる薬剤師数】
一人 10 日勤務とした場合の実人数は 36 名。

【協力者の要件】※下記1~3を全て満たす必要あり。
1. (公財)日本アンチ・ドーピング機構(JADA)認定の公認スポーツファーマシスト
である(平成 30 年4月に認定見込みの方も含む)。
2. 開設期間中に 10 日間程度勤務可能である(連続でなくても可)。
3. 英語で服薬指導が出来る。
4. 病院・診療所での勤務経験(注射薬・輸液等の取扱いの経験)があることが望ましい。
(調査にあたっては、病院・診療所での勤務経験の有無もご回答下さい)

【その他】
〇 報酬及び旅費の支給なし。
〇 宿泊施設の手配なし。
〇 ユニフォームの支給あり。

 

 

今回のツイッターの内容と比較しますと、待遇がいくつか改善されています。

 

勤務時間が改善

16時間→9時間拘束(1時間休憩)

研修7日はあるものの拘束日数が無くなりました。ただ、この研修7日も長過ぎるように思います。

※救急サービスについては言及が無くなりました。

交通費が支給

上限1000円ですが、交通費が支給されるようになりました。

英語必須ではなくなった?

英語ができる薬剤師は不可能と判断したのでしょうか?なんとなく、研修7日間に組み込まれているような気がします。

輸液についても言及がなくなりましたね。

慌てて申し込まず、待つのが得策

職能を持つ立場からの発言です。職能の価値を上げるためには安売りは良くないと考えています。

オリンピック側は強気に買い叩こうとしています。一見立場が強いように見えますが、彼らも計画があるため人員の確保に期限があります。去年9月の段階よりも若干ながら待遇は改善されています。

同調圧力が比較的弱い職場にお勤めのスポーツファーマシストの方であれば待って条件が良くなってから応募したほうが良いです。まだ4年も先の話です。4年後の予定なんて確約できないですよね?!冷静に判断しましょう。

様々な組織に入られている方はすでに色々なルートから圧力がかかっているかもしれません。それは従わざるをえないですよね。心中お察しいたします。

ボランティア=完全無償労働提供にあらず

どうにもこうにもボランティア=完全無償労働でないとボランティアにあらず。と、考えられている方がいらっしゃるようですが、それは間違いです。交通費や気持ち程度の謝礼をもらってもそれはボランティアです。反対に1円でももらえばそれはプロの仕事だと考える方もいらっしゃいます。

私は、どちらの意見も間違いであると考えております。生活の足しになるか否か。もっと言えば、国が定める年間20万円の所得に達しているか否かがボランティアであるか仕事であるかの分かれ目であると考えています。

例えば、パワーリフティングの試合では試合の補助員や審判をすると数千円ほどですが、日当(交通費含む)が支給されます。数千円は所得ではありますが、スポットで発生したものであり、継続的ではありません。これでは生活費にはなりませんよね。時給で計算すれば確実に最低賃金を割り込んでいます。交通費を差し引いて、後は軽く飲みに行ったら使い切ってしまう金額です。少額であり、スポットなのでこれは仕事ではなくボランティアです。逆に、試合が毎週5日間あり、毎回それに補助員で参加したとしたら継続的に所得が発生し、年間で20万円を超えますのでこれは仕事です。

オリンピックの期間に数日だけお手伝いをして、日当をもらう。上記の考え方を当てはめるとこれは仕事とは言い難く、ボランティアの範疇です。ボランティアの範疇でお疲れ様でしたという気持ち程度の日当や交通費が支払われても何ら問題ないと考えられます。去年の募集要項に比べれば要求されるスペックが落ちており、募集人員が大幅に増員されたため必然的に謝礼も減額されるのはいたしかたありません。しかし、0円というのはそのお疲れ様でしたの気持ちさえ無いのか?と、思わざるをえません。非常に傲慢です。

オリンピックの会場に行かなくてもスポーツファーマシストの職能は果たせる

これは、日々スポーツファーマシストとしての業務を実際に行っている私の根底にある考え方です。

オリンピックの会場に行かなくても通常業務の中でドーピングに関する質問を受けた時に対応すればスポーツファーマシストとして職能を十分に果たしたと言えます。

「オリンピックに参加せずばスポーツファーマシストにあらず」

こんなことを言う人がこの先現れるかもしれません。無視ですよ。こういうのをファシズムと言います。ファシズムでG国やI国と頑張った結果、70年前に日本はどうなりましたか?小学校の社会の授業で習ったじゃないですか。

様々な意見

こんな意見を持っている方もいらっしゃいます。

私のブログでの主張とは完全に反対側の意見です。こういう考えをする方もいらっしゃいます。個人的には、こういう考え方の人をやりがい搾取でこき使ってやろうというのがオリンピック側の魂胆であると考えています。

比較的自由に意見を言える国なので、色々な意見があります。正解は人によって色々です。私は損が大きいと考えていますが、得が大きいと考えている人がいるのも事実です。

決めるのはアナタ次第。唯一解なんてありませんよ。ご自身で後悔のないよう決めてください。


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ABOUTこの記事をかいた人

薬剤師・スポーツファーマシスト。パワーリフティングというスポーツで現在も競技出場しており、競技者目線に立ったアンチ・ドーピングの解説記事を書きます。 主な戦績 2009年、2011年全日本パワーリフティング選手権大会優勝 2011年世界パワーリフティング選手権大会種目別銀メダル 2012年アジアパワーリフティング選手権大会種目別金メダル 2017年度はパワーリフティング、ベンチプレスともに全日本大会3位でした。