2017年2月に愛知県岡崎市で行われましたパワーリフティングの全国大会で、NF Rep.の仕事をしました。
NF Rep.とはエヌエフレップと読むのですが、National Federation Representativeの略称です。
National Federationは直訳すると国の連盟ですが、ここでは国内のスポーツ競技団体のことです。この大会では日本パワーリフティング協会ですね。
Representativeは代理人という意味ですが、日本パワーリフティング協会の代理人としてJADAから派遣された検査員との橋渡し役として働きました。
検査員は検査対象の競技のことをよく知らない
NF Rep.が必要となる理由ですが、JADAから派遣されてきた検査員は検査対象競技とは異なる競技の関係者ですので検査が行われる競技の進行や選手の顔を把握されていません。例えばパワーリフティングでしたら、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトの順に試技を行い、トータル重量で順位が決まるためデッドリフトが終わった時に選手の順位が確定する。こういった競技の基本情報から説明が必要となります。検査員に試合の状況を伝え、検査通告を受ける選手のもとまで検査員を誘導するのがNF Rep.の主な仕事です。
ドーピングの検査員というとちょっと怖そうなイメージがあるかもしれませんが、話を聞いてみますと、皆さんどこかでスポーツに関わられている方ばかりで、競技や競技者に対して理解がありました。我々の常識では男子選手であればデッドリフトの200kgは全然大した事が無い重量ですが、パワーリフティングを初めて見る検査員からしたら考えられない重量で皆さん大変驚かれていました。
NF Rep.は薬剤師やスポーツファーマシストの資格を必要とするのか
NF Rep.は薬剤師やスポーツファーマシストの資格は必要となりません。
検査対象競技に携わっていて、秘密を守れて、協調性のある方ならできます。
もちろん、競技の事をよく知っているスポーツファーマシストであれば選手も検査員もより安心して検査をおこなうことができます。
〆
アンチ・ドーピングルールの競技者は適切に検査を受け、クリーンであることを証明し続けなければなりません。
その検査を円滑に行うためには競技団体からの補助が必要となります。それがNF Rep.です。
ドーピング検査の裏話はこちらの記事もご参照ください。